やぎ


ある山奥に❝やぎ❞がいました。
やぎでありながら、魚に憧れを強く抱いていました。

「ぼくも魚になりたい。どうして魚に生まれてこれなかったんだろう」

そんな考えをしていたからか、やぎは友達ができませんでした。

魚を見るために毎日川を眺めていました。

やぎは泳ぎの練習も始めました。
魚と一緒に泳げるように、一日の多くを川の中で過ごすようになりました。

ある日大きな木のそばを通ると二匹の魚が仲良く泳いでいました。
やぎはその様子を見ながら寝てしまいました。

眠っている中でやぎは自分の姿が魚に変わっていくという
不思議な夢をみていました。

その時、木の上から黄金に輝くりんごが落ちてきて
やぎの頭にコツンとあたりました。