あるところに❝みずがめ❞がありました。
そのみずがめの中からはなんの濁りもないきれいな水が湧き出てきます。
人々はその水をとても大切にしていました。
ある者は全身にやけどをおい、その水を頭からかぶりました。
たちまち体の皮膚が再生されきれいな姿を取り戻すことができました。
ある者は早くに赤ちゃんを出産してしまい、赤ちゃんをみずがめの中へいれました。
赤ちゃんは本来母親のおなかの中にいる時間をみずがめの中ですごし、
その後無事に成長していきました。
そんなみずがめの水を、夜中にこっそり盗もうとたくらむものがいました。
みずがめの水を一滴残らずすくい取り、
そのみずがめに近くの川でくんできた水をいれたのでした。
その川の水の中に黄金に輝くりんごがはいっていたことも知らずに。