森の小川につがいの❝うお❞(魚)がいました。
お互いを想いあってはいるけれど、
言葉が足りなくてすれ違うことが多々ありました。
二匹には大好きなりんごの木がありました。
その木にはりんごがなっており、川の中から眺めるのが大好きでした。
ある日、川上からりんごが流れてきました。
お互いにりんごをプレゼントしようとそのりんごを追いかけました。
ゴツン!!
二匹の頭が激しく衝突してしまい目の前が見えなくなりました。
目を覚ますと二匹はバラバラになっていました。
「どうしよう……そうだ! あのりんごの木をめざそう!」
りんごの木のそばまでいくと、見慣れた姿がありました。
お互いもう離れないことを口にだして約束すると、
二匹のしっぽが結ばれました。
その時、木からりんごが落ちました。
下で眠っているやぎの頭にぶつかり、
川の中の二匹の前にコロコロ転がってきました。