浜辺に一匹の❝かに❞がいました。
海の中で生まれたのですが、
かにの姿に成長するまでになんども溺れかけていました。
そのため海の中が怖くなりました。
浜辺にはたくさんの海の生物が遊びにきます。
でもみんな最後は海に帰っていくのでした。
かにはそんな彼らをみていつもうらやましく思うのでした。
ぼくにも勇気があったら……
でもその勇気は恐怖に勝つことができませんでした。
時々雨が降ります。
雨はかににやすらぎを与えてくれます。
「毎日雨が降ればいいのにな」
かには今日も空をみあげましたが、太陽がまぶしく輝いていました。
その太陽の輝きに照らされてキラキラと光るものがありました。
丸い黄金の物体にかには近づいていきました。
「りん……ご?」