しし


おなかをすかせた❝しし❞がいました。
しばらく雨も降っていなかったので、のどもカラカラに乾いていました。

ししは肉食ですが、なんでもいいので口にいれたくなりました。
まわりを見渡すと一本の木が目に留まりました。

その木になっていたのは、りんごでした。

ししはそのりんごを食べようと木に近づきました。

しかし近づいてみるとそのりんごの木はとても大きくて、
ししが手の届くところにりんごはありませんでした。

そのりんごの木の下でししは横たわり、動けなくなりました。

風もないのにりんごの木が揺れ、実がひとつが落ちてきました。
前足をのばしましたが届きません。

ししはそのままそっと目を閉じました。

しばらくすると前足になにか当たる感触がしてゆっくりと目をあけました。

黄金に輝くとても綺麗なりんごでした。